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仙台地方裁判所 昭和63年(わ)122号 判決 1988年7月19日

本店所在地

宮城県石巻市松並二丁目一三番地の一

有限会社ヤマキ

(右代表者代表取締役 木村正司)

本籍

宮城県石巻市湊町四丁目二二番地

住居

同石巻市松並二丁目八番地の三

会社役員

木村正司

昭和二四年六月一八日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官向井壯出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人有限会社ヤマキを罰金二五〇〇万円に処する。

被告人木村正司を懲役一年六月に処する。

被告人木村正司に対し、この裁判確定の日から三年間、右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人有限会社ヤマキは、肩書地に本店を置き、遊技場企画、経営等を目的とする資本金五〇〇万円の有限会社であり、被告人木村正司は、被告人会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人木村は、いずれも、被告人会社の業務に関し、売上の一部を除外し、それで無記名の割引債券を購入するなどして不正に所得を秘匿したうえ

第一  昭和五八年八月一日から同五九年七月三一日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が一億〇六六四万八七三二円で、これに対する正規の法人税額が四五〇四万八一〇〇円であるのに、同年九月二八日、宮城県石巻市千石町二番三五号所在の石巻税務署において、石巻税務署長に対し、その所得金額が三一九九万二七九四円で、これに対する法人税額が一二七二万二一〇〇円にすぎない旨の虚偽の法人税確定申告書(昭和六三年押第四八号の一)を提出し、よつて、被告人会社において、同事業年度の法人税額と右申告税額との差額三二三二万六〇〇〇円につき法人税を免れ

第二  昭和五九年八月一日から同六〇年七月三一日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が一億一七四八万五五一六円で、これに対する正規の法人税額が四九三万二一〇〇円であるのに、同年九月二七日、同税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三九八二万九二六七円で、これに対する法人税額が一六一〇万七〇〇〇円にすぎない旨の虚偽の法人税確定申告書(前同号の二)を提出し、よつて、被告人会社において、同事業年度の正規の法人税額と右申告税額との差額三三六二万五一〇〇円につき法人税を免れ

第三  昭和六〇年八月一日から同六一年七月三一日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が九九六三万二八八三円で、これに対する正規の法人税額が四二〇四万二三〇〇円であるのに、同年九月二九日、同税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三四八七万六七二四円で、これに対する法人税額が一四〇〇万二九〇〇円にすぎない旨の虚偽の法人税確定申告書(前同号の三)を提出し、よつて、被告人会社において、同事業年度の正規の法人税額と右申告税額との差額二八〇三万九四〇〇円につき法人税を免れ

たものである

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人木村の当公判廷における供述

一  被告人木村の検察官に対する供述調書及び大蔵事務官に対する質問てん末書(一二通)

一  星ゐな子及び山田定治の検察官に対する各供述調書

一  赤間国勝及び星かね子の大倉事務官に対する各質問てん末書

一  大倉事務官作成の現金調査書、定期預金調査書、割引債券調査書、未収入金調査書、未収利息調査書、代表者勘定調査書、未払金調査書、未納事業税調査書及び脱税額計算書説明資料

一  登記官山沢三郎作成の商業登記簿謄本

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(自昭和五八年八月一日 至昭和五九年七月三一日)

一  押収してある法人税確定申告書一綴(昭和六三年押第四八号の一)

判示第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(自昭和五九年八月一日 至昭和六〇年七月三一日)

一  押収してある法人税確定申告書一綴(前同号の二)

判示第三の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(自昭和六〇年八一日 至昭和六一年七月三一日)

一  押収してある法人税確定申告書一綴(前同号の三)

(法令の適用)

被告人木村正司の判示各所為は、いずれも、法人税法一五九条一項に該当するところ、同法一六四条一項により、被告人木村を罰するほか、被告人会社に対して罰金刑を科することとし、なお、判示各罪は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告人会社については、法人税法一五九条二項を適用して、その罰金をそれぞれ免れた法人税の額に相当する金額以下としたうえ、刑法四八条二項により右の各金額を合算した金額の範囲内で、被告人木村については、懲役刑を選択したうえ、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で、それぞれ主文の刑を量定し、被告人木村に対する懲役刑の執行猶予につき同法二五条一項を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 本郷元 裁判官 村上博信 裁判官 宮本孝文)

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